宇宙コッペパン

チャカアイコンの宣教師

こんな関ジャニ∞の商品が欲しい〜紙媒体編〜

 

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はじめに

 

こんにちは、くぬえです。欲望をダダ漏れにした「こんな関ジャニ∞の商品が欲しい」シリーズ第二弾です。コンサートで一番楽しみにしているグッズがパンフレットといっても過言ではない紙媒体好きの私が、こんな風に関ジャニ∞をフィーチャーした冊子が欲しい!というアイデアを紹介します。前回の記事は下のリンクから。

 

kunue8.hatenablog.com

 

 

 

 

3つの案を出してみました

3つリストアップしてみました。写真集や雑誌、コンサートのパンフレットのような冊子を書店等で販売することを想定しています。

 

公式衣装集

 逆に欲しくないオタクいる???

コンサート「関ジャニ'sエイターテインメント ジャム」のパンフレットでも一部の衣装が並んでいて、「そうそう! これだよ!! なんだよやればできるんじゃん!!!」という気持ちになりました。なりましたよね?

パンフレットでは2ページのみのミニコーナーでしたが、1冊丸々使って歴代の衣装を年代やMV・コンサート衣装などの用途に分けつつ、それぞれのメンバーごとでどのようなディティールの違いがあるかまで大きめの写真で載せれば衣装集の完成ですね。小物等はアップで写っている写真があるとファンアートが捗ります。加えてメンバーからのコメント(∞SAKAおばちゃんROCKの衣装がぶつかって痛かったとかイッツマイソウルのホットパンツがキツかったとか*1 )を入れてみたり、制作過程を密着取材するコーナーを設けてみたりするとより内容に厚みが増しそうです。あとはファンの人気投票とかスタイリストさんからのこだわりポイント解説とか。オタクは基本的にディティール違いの共通衣装が大好きなので(クソデカ主語)、ぜひ今までの軌跡をまとめるつもりで作ってほしいです。言い値で買います。

ちなみに私は『キング オブ 男!』のMV衣装や「関ジャニ'sエイターテインメント ジャム」のアイドルパートで最初に着ていたテカテカどピンクスーツが好きです。

 

 

音楽面をフィーチャーした冊子

めちゃくちゃ雑に言うと「関ジャニズムのパンフ」です。もしくは「関ジャムの文字バージョン」。もちろんこれまでの音楽活動をしてきた足跡はシングル・アルバム・コンサート映像に刻み込まれているわけですが、紙媒体で文字という形でも手元に置いておきたいのです。

個人的には、「関ジャニズム LIVE TOUR 2014≫2015」のパンフレットのメンバーのレコーディングを取材したコーナーが、音楽制作スタッフ・メンバー・ライターさんの「プロ」を感じて好きでした。「関ジャニズム」のレコーディングよりも範囲を広げて、たとえばメンバーの歌声・演奏の個性を分析するとか曲の構成や歌詞について論じるとか、そういったテクニカルかつニッチな文章が読んでみたいです。今でも音楽雑誌等でそういった取り上げられ方はしていますが、一冊にまとまっているとより嬉しいですね。あとはメンバーが作詞作曲に携わった楽曲についての解説を改めてしてもらうというのもいいと思います。

せっかく「関ジャム 完全燃SHOW」でたくさん音楽業界の方との繋がりもあるわけですから、歴代の曲を総ざらいするくらいの気概で関ジャニ∞の音楽活動を振り返れる一冊が欲しいものです。

 

 

コンセプチュアルなビジュアルブック

写真集の中でもメンバーそのものを映すというより、コンセプトをガチガチに固めた写真のモデルとして映ってもらうというアイデアです。単に「ビジュアルジャム」が ぶっ刺さっただけと言ってしまえばそれまでなんですが、ああいうがっつりと一つのコンセプトに身を浸すタイプの写真をもっと見てみたいですね。

www.infinity-r.jp

あの企画ではメンバー一人とアーティスト一人がタッグを組む形でしたが、メンバー全員を一人のアーティストにプロデュースしてもらったり、複数人のアーティストがコラボするというのも面白いのではないでしょうか。特定のブランド縛りで装飾品を身につけるとか、あとは個人的にコスメやアクセサリーをふんだんに使った写真が見てみたいです。一人につき複数のコンセプトを企画して時にはイメージをがらっと変え、いろいろな角度からメンバーとアーティストの魅力を引き出してほしいですね。

「ビジュアルジャム」が本当に面白くそれだけでもひとつの企画として成り立つだけに、アルバム「ジャム」の楽曲提供者のビッグネームや特典映像のインパクトに少し埋もれ気味だったのが心残りでした。こんなんなんぼあってもいいですからね、定期的にこのような取り組みがあったらいいなと思います。

 

おわりに

 

CDアルバムに引き続き紙媒体でも欲しい商品を妄想してみましたが、いかがだったでしょうか。今までにあった人気企画をより深掘りして本として売り出すとWin-Winになりそうです。

最近は、コンサートのパンフレットが写真集のような立ち位置になっている気がします。彼らの顔面を持ってすれば写真の連続で十分に満足できる冊子が生まれるのも納得ですが、積極的に文字によるアプローチも盛り込んでほしいんですよね。そして区切りのいい時期になったらファンブックのような形で上記のような企画も実現してほしいなあ……と思っています。

 

*1:私は大好きです

ドルオタ歴10年の私が本気で選んだアイドル史に残る神パフォーマンス3選

 

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はじめに

 

こんにちは、くぬえです。タイトル通り、これはアイドル史に名を刻む……と思ったパフォーマンスを、ドルオタ歴10年の私が性別・次元問わず3つ選んでみました。映像に残っているものを選考対象とします。

以下、「パフォーマンスをした人『曲名』/ 歌手名 (収録ディスク名)」で表記しています。

 

 

 

丸山 隆平『悲しい恋』/ 関ジャニ∞ (47)

 

ポイント:一瞬の表情とリズムの取り方

丸山隆平さんはコンサートで輝くタイプのアイドルであると常々思っているのですが、彼の強みはなんと言っても鬼ファンサと音ハメ。この曲は切ないラブソングなのでお手振りなどのファンサこそありませんが、彼の音ハメと表現力が光っています。*1

特に見てほしいのが、終盤のサビの追っかけソロパート。「broken my heart lonely my heart 嘘と遊べない」の「なァ~い」で丸山隆平さんを映したカメラさん、この業績を履歴書に書いておけば転職に有利になると思います。あの表情と目線と肩や手でリズムを取る仕草、本当に完璧じゃないですか? アイドルが「哀」の感情とかセクシーさを表現するとき、ともするとやりすぎて下品に見えてしまったり、目立ちすぎて曲全体の持つメッセージを壊してしまったりする危うさがあると思うんですが、アイドル的表現の範疇で最大限に色気とマイナス感情を表すさじ加減が本当に絶妙です。おそらく2秒にも満たないカットなのにここまで切なさ・湿気・悲哀を伝えられる丸山隆平さんは強い。「嘘と遊べない」という洒落た言葉のチョイスが似合っています。

さすがは6年間担当ジプシーだった私をコンサートで沼に突き落とした 男、格が違います。エイタメでは惜しくもセトリから外れてしまったそうなので、いつかまた大人っぽさの増した今の関ジャニ∞の『悲しい恋』が聴きたいですね。

 

47 [DVD]

47 [DVD]

  • アーティスト:関ジャニ∞
  • 発売日: 2015/07/01
  • メディア: DVD
 

 

清水 佐紀『ジリリ キテル』/ Berryz工房 (Berryz工房結成7周年記念コンサートツアー2011春 〜週刊Berryzタイムス〜)

 

ポイント:音ハメ完璧な鬼気迫る煽り

女性アイドル界最高峰の推し・清水佐紀さんのパフォーマンスの中でも一番好きなのがこれ。彼女といえばしなやかなダンスですが、キャプテンとしてメンバーをグイグイ引っ張る煽りもアツくて格好いいんです。

前の曲『桜→入学式』が終わってメンバーが一旦衣装替えのために裏に戻り、暗転した無人のステージに電子的な低音から始まるイントロが響きます。*2そこにまず現れたのが清水佐紀さん。「後半戦、みんなまだまだ声出して行くよ!」とファンを盛り上げます。そしてすごいのがここから。この曲のイントロにはショパンの『革命のエチュード』が引用されており、冒頭の規則的な低音やギターの音との繋ぎとして\テンテンテテン/という小さな音が入っています。


Berryz工房「ジリリ キテル」(Dance Shot Ver.)

↑たぶん聴いた方が早い。あとダンスの揃い方が神がかっているのでついでに最後まで見てってください。

この\テンテンテテン/というわずかな間を逃さず、ごく短い静寂が訪れてピアノが始まろうとするまさにそのタイミングで「カモンッッッ!」と叫ぶのです。そこから他のメンバーもステージに上がり、オイ!オイ!とファンのコールが呼応して曲が始まっていくのですが、とにかくこの「カモンッッッ!」の寸分の狂いもなさと熱のこもり方を見てほしい。私が求めていた音ハメがここにある。もちろんその後の歌やダンスも気迫があり見事です。Berryz工房YouTubeの公式チャンネルにライブ映像が上がっていますがこの公演の『ジリリ キテル』はないようなので、ぜひお願いしますアップフロントさん……*3

 

 

濱 健人『Happy-Go-Unlucky!』/ 木村 龍(CV.濱健人) (THE IDOLM@STER SideM 3rdLIVE TOUR ~GLORIOUS ST@GE!~ LIVE Blu-ray Side SHIZUOKA DAY1)

 

ポイント:あまりにも「アイドル」が上手すぎる 

最後はアイドル育成ゲーム「THE IDOLM@STER SideM」から、木村龍役の濱健人さんによるソロ曲のパフォーマンス。唯一本職のアイドルではない方のノミネート(?)です。「2次元アイドルって怖いから椅子取りゲームとかしててほしい」*4とか言ってごめんなさい。見た人がみんなイイって言ってます……


THE IDOLM@STER SideM 3rdLIVE TOUR ~GLORIOUS ST@GE!~ LIVE Blu-ray Side SHIZUOKA ダイジェスト映像

↑こちらの3:13~(自動でジャンプします)。

マジで「アイドル」が上手すぎませんか??? アイドルのなんたるかを完全に“““理解”””している。間奏で右上のカメラをじっと見つめた後に正面のカメラに切り替わったときの対応など、カメラを察知する能力が高すぎて後頭部にも目が付いているのでは?と思ってしまいました。タイミングが完璧な怒濤のファンサで会場を沸かし、ライブビューイング会場のカメラにも「見えてるよ」アピールを欠かしません。そしてべらぼうに歌が上手い。声が笑っている。当たり前のようにダンスもさらっとこなしてますけど声優さんですよね? 完全に主観ですがたぶん丸山担にめちゃくちゃ刺さります。歌とダンスを通してキャラクターを演じるというだけでも十分な凄技ですが、もはやどこまでが先天的なアイドル力でどこからが演技なのかわからないです。

 

 

おわりに

 

本当に大好きなアイドルのパフォーマンスを厳選してみました。大部分は円盤でしか堪能できないものとなってしまいましたが、この部分だけでも余裕で実質キャッシュバックです。偶然か必然か、私が富豪だったら買い占めてすれ違った人類全員に配ってたレベルで全体通して好きな円盤ばかりですので、興味を持ってもらえたら嬉しいです。

 

*1:8UPPERSなどに顕著ですが、曲によって客席へアピールするか否かを的確に選べるところも鬼ファンサたる所以ですよね

*2:そもそも春ソングから夏ソングへ移り変わるセトリが最高

*3:2007年の映像は上がっていますが煽りはないので「カモンッッッ!」は有料です

*4:過去ツイより

ジャニオタが今さらヒプノシスマイクにハマった話

 

「沼だから絶対に近づかないようにしておこう」と思っていたヒプノシスマイク、とうとう沼落ちしてしまいました。タイトルがすべてです。(2019/02/15追記)

 

沼落ちの経緯

 

沼落ち前の状況から現在までをまとめてみました。「そもそもヒプノシスマイクって何?」という方は公式サイトと程よくイかれた公式Twitterアカウントと公式YouTubeチャンネルをご覧ください。

男性声優キャララップバトル『ヒプノシスマイク』オフィシャルサイト

ヒプノシスマイク-D.R.B-公式(ヒプマイ) (@hypnosismic) | Twitter

Channelヒプノシスマイク - YouTube

 

沼る前の私と優秀な友人たち

タイトル通り、私はジャニオタです。といっても、メインで追っているグループは一つ(関ジャニ∞)だけで、他のグループについては興味はあるしテレビに出ていたらつい追っちゃうけどまだ踏み出してはいない……くらいの段階。あとはハロプロ、踊り手さん界隈などにも傾倒しています。それなりに沼は多いですがいわゆる2次元には落ちたことがありませんでした。

しかし私の推しに対するスタンスがわりと2次元寄り(ファンサを求めて団扇を振り回すより推しが地球にいる神秘にそっと涙を流し手を合わせるほうが性に合うタイプ)なこともあり、メインフィールドを2次元に据えている人と話が合うことが多く、周りにはヒプマイファンがたくさんいました。各ディビジョン推しが満遍なくいる感じでしたね。彼女たちのおかげでと言うべきか彼女たちのせいでと言うべきか、なんとなくではありますが私はヒプマイに関する情報を得ていました。ある意味英才教育だったと思います。そしていつしかジャニオタの間にも波が到来し、みるみるコンテンツが拡大していくのを横目に「うわ……これ絶対沼が深いな……見ないようにしとこ……」と固く決心していました。

 

12月にYouTubeのおすすめを見るな

決心しても無駄でした。私にはなぜか「12月か1月にYouTubeのおすすめを見ると沼るの法則」があります。原因はよくわかりませんが、歴代の沼の8割5分くらいはこれによるものです。もし私に布教したい方がいましたら冬にYouTubeを買収して私へのおすすめに自ジャンルをこれでもかと載せてみたらいかがでしょうか(適当)。重々この法則は知っていたつもりなのですが、学習能力が低すぎて「そういやヒプマイ見たことないな……オタクの必修科目だからちょっと履修しとこ」とうっかりおすすめに乗ってしまいました。サル並みの学習能力とか言ったら動物愛護団体にキレられるレベルですね。言わずと知れたこちらの動画を見ました。未履修の方は是非。

この時は「ラップが上手いな」「確かにファンが多いのも頷ける」くらいの感想しか抱いていませんでした。あとヨコハマとシンジュクの時だけ流れるバックの「テッテッテッ↑テッテッテッ↑」みたいな音が好きだなと思いました。ええ、本当にその程度の認識でした。これは本当です。信じてください。マジで。そして、なぜかもう一度再生ボタンを押してしまいました。なんなら5回くらいリピートしました。

 

どハマりしました

この時点ですでにだいぶズブズブになっていることが伺えますが、正直まだ何度見ても畳み掛けるリリックから溢れ出るとてつもない情報量についていけていませんでした。キャラが12人もいるとさすがにキャパオーバーで、もはや「『ペンは剣よりヒプノシスマイク』の語感良すぎだろ」以外の感情が停止していました。そんな思いを抱えて次に見たのがこの動画。

なぜここに来て非公式の動画をチョイスしたのかはよくわかりません。でもとても面白かったです。これでざっくりと世界観やキャラクターの設定を掴むことができました。オタクのわかりやすい解説は偉大です。先ほどの動画では一瞬しかキャラの名前が出てこなかったので、まじまじと見るとやべえなと思いました。こうしてこのまま公式動画を漁り、めでたく初の2次元沼にドボンしました。

 

各ディビジョン・キャラの印象

 

現時点で各ディビジョンとキャラに持っているイメージをまとめてみます。まだ追いきれていないので事実とは異なる部分もあるとは思いますが、「新規がなんか言ってんな」とスルーしてください。(曲やドラマトラックを一通り追い終えたため追記しました)

 

日本一名前の可読性が高い三兄弟・イケブクロ・ディビジョン

新参者にも圧倒的に名前がわかりやすいので助かりました(他ディビジョンをチラチラ見ながら)。これぞラップ!という王道な感じでとても主人公然としています。イケブクロ推しの友人たちはやたら「イケブクロはいいぞ!!」と箱で勧めてくるイメージなんですが、確かにこれは箱で推さざるを得ませんね。スパダリ(概念)長男と忠犬みの深い弟2人、素晴らしい関係性です。私は忠犬っぽい人が好きなのでこれからもしかしたらもしかするかもしれません。

追記:もしかしました。今ではヨコハマの次に心を抉られています。まず曲が好みすぎるのでグッサリ来ました。次男三男が喧嘩した時の長男の仲裁が結構雑なところが面白いですね。

 

スラム街の幼稚園・ヨコハマ・ディビジョン

現時点で一番心惹かれています。見た目もステータスも激爆治安が悪いのに挨拶はきちんとするし裏切りはナシなので「仲良しかよ……」と口を覆いたくなります。オタクはこういうのが好きです。そして、何らかの手違いで根絶されていた武力が戻ってきたら普通にフィジカルと権力で他のディビジョンをワンパンで倒せそうなところもいいですね。

私は特に毒島いくらなんでもメイソン顔が良すぎる理鶯さんに魅力を感じています。記念すべき初の2次元の推しです。それにしてもすごく名前が長いですね(すっとぼけ)。彼の後頭部に住民票を移したいです。

 

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もし彼らがジャニーズだったら物騒な団扇を持ち込んで5大ドームで出禁を食らっていたところでした。

追記:自己紹介ガチ勢ヤクザさんのTDD時代のオールバックビジュがぶっ刺さってしまい動悸が止まりません。うーんベイビー、それは恋、恋煩いさ……悪徳警官さんは「ハイになったインテリは誰も止められない」感をビシビシと感じさせられて最高ですね。毒島いくらなんでもメイソン顔が良すぎる理鶯さんはかっこいいとかわいいをとんでもないスピードで反復横跳びしていて見るたびに心をかき乱されます。どうやら推しは確定っぽいです。彼らのソロ曲から聴いたので「なるほど!ソロ曲に他のメンバーが友情出演したりするのか!ヒプマイすげえな!」と思いながら他のディビジョンのソロ曲を聴いたのですが、ただ単にヨコハマが仲良しなだけでした。

 

水の代わりに麻薬を撒布したお花畑・シブヤ・ディビジョン

最初はポップでキュートなサブカルホイホイだと思っていたのですが、今や「なんかめちゃくちゃ怖い」としか思えなくなってきました。かわいらしさの影に隠れた得体の知れなさがエグいですね。最近有栖川ギャンブラーは職業ではありません帝統さんに惹きつけられているのですが、「もしかして……私の推しの共通点、"無職"……???」みたいななんとも言えない気持ちになりました。あと声帯が多すぎて「絶対3人じゃねえだろ何人いるんだよ」と思ってしまいます。

追記:マジで怖くないですか?怖いですよね?本当に怖いんですが……唯一の良心だと思っていたギャンブラーさんもよく考えたらあんな素寒貧でよくあの人の良さを保てるな……と一周回って怖くなってきました。

 

フリーダム精神病棟・シンジュク・ディビジョン

こっちはラップを聴いているつもりだったのに急にドンペリを入れ出したり普通に喋り始めたりするので「自由かよ」と思いました。なんだかんだで上手いこと韻を踏んでいて腹が立ちます(褒めてます)。こういうタイプのラップもあるんだという自由さに触れることができました。キャラクターたちは闇というか病みですね。シブヤ・ディビジョンとは別ベクトルの怖さに打ち震えています。

追記:「同居」という聞き慣れた言葉でも、状況によってはとんでもないパワーワードになりうることを学びました。強すぎ。あとユニット曲*1についてなのですが、他のディビジョンは「俺らの街においでよ!」みたいな感じなのに彼らだけ「こっち来んじゃねえぶっ潰すぞ」なのが謎すぎてスペキャ顔をしています。

 

この辺の印象や推せる度合いは今後変動していきそうな予感がします。なんせ丸山担になるのに6年かかったので……

 

なぜジャニオタに刺さったか考察する

 

やたらめったらヒプマイに落ちるジャニオタを見かけるのはどういうことなのか考えてみました。私の経験がベースになっているので信憑性は期待しないでください。

 

2018年、ちょっといろいろありすぎた

2018年はジャニーズ史でも屈指といって過言ではないほど激動の年でした。良くも悪くも色々なことが変わったのです。相次ぐ解散、脱退、不祥事、離脱などがその例で、何も起きずに1年を終えたグループのほうが少ないくらいでした。ワイドショーでの報道などで知っている方も多いのではないでしょうか。余談ですがハロプロでもやや状況が似ていたので、私は奇しくもダプルパンチを喰らった形になりました。

そういったことが起きても変わらず応援することを選んだファンはたくさんいますし、かくいう自分もその一人です。ですが怒涛の勢いで変わっていくあれこれに少し疲弊してしまったというのは事実。もちろん一番大変なのはメンバーや事務所でしょうが、この目まぐるしさに疲労を覚えたファンの心を掴んだというのは原因の一つとしてありうると思います。あくまでも間接的な理由ですが。

 

歌割文化の影響

私が推すアイドルグループの絶対条件は「曲が良い」「声質がバラバラ」の2つ。ヒプマイはアイドルではありませんが、これらの条件にグッサリ刺さりました。「曲が良い」は好みによるところが大きいので割愛するとして、「声質がバラバラ」は私にとって死活問題です。できれば何回か聴いただけでもう判別できるようになるくらいのバラバラさが理想ですね。関ジャニ∞とかBerryz工房とか。

ここで、「歌割文化」が顕著なハロプロの話をさせてください。特につんくさんがプロデュースを降りる前のハロプロは、歌割(曲中で歌うパートの割り振り)が神がかっていました。ハロプロの歌割は、メンバーの表現の幅、得意な音域、果てはメンバー本人のアイドル人生までもを考慮して完璧に作り込まれています。巧みに割り振られたパートを、スキルでソロを勝ち取ったバラバラな声質のメンバーが歌うことで作品が完成しているのです。これはジャニーズでも同じことが言えます。多分。

話をヒプマイに戻すと、声優さんがプロの仕事をしているのだから当然と言えば当然ですが、彼らの声質はバラバラ。そして彼らのキャラクター性を意識して作られた見事な歌詞やメロディー。神采配です。そう、まさに「この人がこの歌詞を歌うの、ほんと最高!」というニーズが体現されているのです。

秋元グループのファンからの流入があまり見られない気がするのは、彼女たちは曲のほとんどを平坦なユニゾンで流れるように歌っている(歌割文化がない)ことも影響しているのではないかと考察しています。

 

慣れ親しんだコンテンツ形態

私は、正直あまり推しの過去やプライベートを知りたくないです。アイドルとして見せてもらっている歌やダンスを楽しみたいだけなので、最低限の公式に与えられる情報だけを得てあとの部分には関心を持っていません。メンバーがモラルに欠ける言動をしているなら話は別ですが、そうでもない限り彼らの内面には踏み込まないようにしています。

私が2次元ジャンルに対し嫌悪感などは一切持っていないにもかかわらず3次元にしかハマってこなかった理由はおそらくこれです。アニメ、マンガはキャラの過去や内面を掘り下げることを主としているため、私の興味に引っかからなかったのだと思います。

しかしヒプマイは、たとえキャラの内面や過去を描く場合であっても、楽曲を通じて表現している場合がほとんどです*2。こうやって作品を通して中身を想像させる描き方はジャニオタとの親和性が高いと感じます。

また、少なくとも私は「アイドルの仕事の核はCDをリリースすること」だと考えているので、CDをベースとした売り出し方をしているジャンルに馴染みがありスッと入っていきやすかったです。こういったコンテンツ形態はジャニオタに合致しているといってよいでしょう。

そして、ジャニーズは結構ラップをします。代表的なのは嵐さんのサクラップですかね。体感ですがジャニーズの各グループに1人はラップ担当がいるので、そういう意味でも馴染みがあると言えそうです。

 

生身の人間が可視化されている安心感

言い方がアレですが他に上手い言葉が見つからなかったのでこれで突き通します。言わずもがなこれは随所に挟まれた声優さんのレコーディング映像の話です。私は動画を見るまで勝手にキャラの立ち絵バーン!!ドーン!!みたいな映像を想像していたので、あそこまで声優さんが前面に出てくるとは思っていませんでした。個人的には、あの2次元と3次元を行ったり来たりするような映像が2次元ジャンルに慣れていない我々にも安心感を与えてくれたように思います。

そして私は「振り付けのないところで曲に合わせて自由に動くやつ」*3が大大大好きでもはやフェチの域なので、とにかく見ていて楽しかったです。リズムや歌詞、そして演じるキャラに合わせて多種多様なカメラアピールをしていらっしゃる声優さんを見て「これ……これを求めてたんだよ……!」と感じたジャニオタは一定数いると思います。

 

沼った理由は千差万別でしょうが、少なくとも私はこういった理由が影響していると考えています。こう考えてみると、沼るべくして沼った気がします。

 

最後に

 

いろいろ勢いで書いたのでこれから修正していこうと思います。こうしてハマった理由を考察してみると、とにかくヒプマイはジャニオタとの親和性が高いと思いました。長文になりましたがお付き合いいただきありがとうございました。

 

*1:ジャニーズと同じ呼び方をしていいのかわかりませんが

*2:コミカライズのことは一旦置いておきます

*3:正式名称がわからないのでニュアンスで察してください

こんな関ジャニ∞の商品が欲しい〜CDアルバム編〜

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はじめに

ヲタクはいつの世も強欲な生き物。「推しにはただただ健康でいてほしい!それ以上なんて望まない!」と思いつつも、「こんな商品があれば買うのに……」などと考えることはしょっちゅうです。そんな私の欲望を垂れ流すだけの記事ですがしばしお付き合いを。

 

 

 

7つの案を出してみました

実際に欲しい物をリストアップしてみました。特典についても考えたり考えなかったりしています。

 

カップリングアルバム

まず挙げたいのが、ファンなら誰しも一度は欲しいと思ったことがありそうなカップリング集。今までの楽曲をすべて入れると相当な数になるのでやるとしたら特に人気のあるものなどを選ぶことになるのかもしれませんが、できれば全部収録してほしいところ。インフィニティレコーズに移籍してからはテイチク時代のCDは廃盤になってしまっているため、当時のシングルはどうしても手に入れるのが困難です。移籍後からのファンにも良曲を発見してもらういい機会なのではないでしょうか。改めてアルバムとして聴くことでまた新たな発見があるはずです。

そしてそのうちいくつかは再録したりMVを作るなどして新しいアプローチがあるとなお理想的。新曲がなくてもこういった仕掛けがあればファンは大満足できるはずなので、そのぶんトータルパッケージのプロデュースやプロモーションに手間をかけることができるでしょう。その後のメディア出演やコンサートがあるとすると、今まで披露したことがないパフォーマンスを多くすることになるため大変だとは思いますが、これ以上多忙になる前に一度カップリングアルバムをリリースしていただきたいですね。個人的には『朝焼けの太陽』が世間に見つかることを祈っています。

 

 

未音源化曲アルバム

関ジャニ∞は今や未音源化曲だけでもアルバムが作れるほどのキャリアを積んできました。今こそ昔の記憶を蘇らせエモの洪水を起こすチャンスです。全員曲とソロ・ユニット曲の二枚組が現実的でしょうか。『マーメイド』や『DIVE』、大山田の『明日』などはこのまま埋もれさせるのが本当にもったいない。特に『マーメイド』はコロコロ変わる曲調が魅力的な人気の楽曲なので、CDで聴いて全体像を把握してみたいものです。未音源化曲はカップリング曲以上に聴ける人が限られてくるので、製品化によってさらなる可能性を広げてほしいですね。

そして未音源化曲の大半は公式の歌詞が出回っていないので、ファンの間で「この曲のここってこういう歌詞だったのか……ずっと○○だと思ってた」大喜利が始まること間違いなし。話題性にも富んだ未音源化曲アルバム、インフィニさんぜひご検討ください。

 

 

PUZZLEの再来?!クセの強いオリジナルアルバム

近ごろの関ジャニ∞のアルバムは豪華な楽曲制作陣を迎えいろいろなカラーの曲にチャレンジしていますが、これはアルバムのトータルイメージのばらつきと紙一重とも言えます。わがままを言うなら、私は今の関ジャニ∞で一度原点回帰して、また比較的少数のクリエイターが複数ずつの曲を持ち寄るタイプのアルバムを出してほしいと感じているのです。

最近提供の頻度が減ってきたTAKESHIさんや、『泣かないで僕のミュージック』以降楽曲提供が途絶えている林田健司さんあたりを起用して、空前絶後のクセ強アルバム・PUZZLEの再来を思わせるようなオリジナルアルバムをリリースしていただきたいところです。言うまでもないですがひねくれ系恋愛ソング多めで。めちゃくちゃ個人的には、つんくさんが曲を提供してくれたら泣いて喜びます。キスマイの前例があるのでワンチャンあるのでは……?と毎日首を長くして待っています。

 

 

ダンス曲アルバム

関ジャニ∞は踊らないと言われて久しいですが、そのたびにファンは「本当は踊れるのに……」と奥歯を噛み締めています。ここらでいっそ公式側から「踊れるで!」とアピールしていただきたいもの。ダンス曲でシングルを出してほしいとずっと思っていたのですが、アルバムならもっと嬉しい。とは言っても薄味ジャニーズソングに傾かず、今までのような濃ゆい楽曲がたくさん欲しいですね。

あとは、ぜひリード曲のMVのアナザーバージョンとしてDance Shot ver.(ダンスシーンの定点カメラ一発撮り)を入れてください。基本的にダンスシーンでカメラを動かしすぎるのはあまり得策とは言えません。定点カメラであれば振り付けやフォーメーションがわかりやすくなり、ファンは特定のメンバーを目で追い続けるという楽しみ方もできます。ただただ編集の素材をそのまま使ってくれればいいだけなので、なんとか実現してほしいです。欲深いですが、今までのダンス曲のMV(『Fight for the Eight』、『Black of Night』など)のDance Shot ver.も欲しいですよね……

 

 

カバー曲アルバム

掛け持ちヲタクの希望・「関ジャム 完全燃SHOW 」。この番組で数々のコラボ・カバーを繰り返してきた彼らが満を辞してカバー曲アルバムを出してくれたら、ヲタク全員で泡吹いてぶっ倒れます。今まで番組で披露したことのある楽曲でもそうでなくてもとりあえずカバーならなんでも嬉しいです(匙投げ)。

さらに縛りを設けるならば、ジャニーズのカバーや女性ボーカルの曲のカバー、はたまた音楽ジャンル縛りなどなど、色々なやり方が考えられます。まったく毛色の異なる2枚のカバーアルバム(ロックとバラード、ラブソングと応援ソングなど)を同時リリースなんていうのもいいかもしれません。「カバーしてほしい曲」をここに書ききるのは大変ですし趣旨からもやや逸れますので、いつか別記事にて。

 

 

ソロ曲入りアルバム

6人体制となりよりユニットが組みやすくなったところで言うのもなんですが、最後に全員でソロ曲を出した8年前からさらに歌唱力がパワーアップした彼らの新しいソロ曲、聴きたくないですか?私は聴きたいです。特に、ミドルテンポのラブソングが多かった錦戸亮さんが『ビースト!!』『Tokyoholic』『Traffic』などエッジの効いた詞を書いてきたことでどう変わったかが気になります。

ただし、収録するのはKINGさんの曲ではなく村上信五さんのものでお願いしたいですね。決して嫌いなわけではないのですが、KINGさんはしばらく封印して5年後くらいに伝説のラッパーとして帰ってきてくれたほうが面白いものになる気がします。あまりやりこみすぎると普通にラップが上手くなってしまうのもデメリット。乱発しすぎ感が否めないですし村上信五名義のソロ曲(他メンバーとのユニット曲も)が少なくなりますので、今後はぜひその方向で。

 

 

8UPPERS2

ヲタクみんな大好き激爆エモコンテンツ・8UPPERS、そろそろ続編出しませんか?監督の中村哲平さんもしばしば「続編をやりたい」とおっしゃっているわけですし、やらない手はありません。アーセナルの扱いをどうするかは難しいところですが、中村さんならむしろそれを逆手にとって素敵なストーリーを作ってくださることでしょう。

既出のコンテンツの続編となると新規を取り込みづらいのかもしれませんが、上手いことキャンペーンを打ち出して2次元ヲタクを一網打尽にしてほしいですね。最終的にコラボカフェ開いちゃうくらいの盛り上がりを見せていただきたいです。「10/7にBABY誕生!?」の時は本気で8UPPERSかと思ったんですが、あまりにも斜め上でしたからね……(遠い目)。

 

おわりに

本当に思ったことを垂れ流して終了になりました。タイトルに「CDアルバム編」とある通り、今後も他の商品形態で欲しい物を書き連ねていく予定です。特に「Dance Shot ver.」は、アルバムじゃなくても欲しいです。なんなら歴代MVのDance Shot ver.を集めたビデオクリップ集とかでもいいので買いたいです。

歌詞の一人称・二人称で分析する関ジャニ∞楽曲〜無駄に縦長なExcel表を添えて〜

当記事は、第1回関ジャニプレゼン学会企画に参加させていただいた際の研究に加筆修正したものです。


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※以後1万文字を超える長文が続きますが、「暇な楽曲ヲタが好きなアイドルの曲の歌詞の一人称と二人称を数えてExcelにまとめた」以上の出来事は特に起こりません。

4-5「混合型」、4-7「その他1対1型」では、『クラゲ』『Street Blues』『罪と夏』『夏の恋人』『DO NA I』『Dye D?』などの歌詞を、一人称・二人称の表記という視点から考察しました。新しい視点での歌詞考察となっておりますので、ぜひご覧ください。

 

はじめに

私は、ジャニーズとしての関ジャニ∞、特に彼らの楽曲の特異性として、「日本語の比重が大きい」ことが挙げられると考える。関ジャニ∞にもそれなりに英語タイトルの楽曲はあるが、事務所内の他のグループに比べれば日本語の比重が高いと言えるのではないだろうか。

この研究では、日本語学的観点から関ジャニ∞を読み解いていこうと思う。対象としたのは、彼らの楽曲の歌詞だ。日本語の大きな特徴に、人称代名詞の種類の豊富さがある。そこからなんとかして楽曲における関ジャニ∞像や関ジャニ∞そのものの特色を導いていこうと考えた。私はいわゆる事務所内での「掛け持ち」はしておらず、他のグループについては非常に疎い。それゆえ何かと間違いはあると思うが、温かい目で見ていただきたい。

そこで登場するのが最初の画像である。この表は、関ジャニ∞の楽曲の歌詞に出てくる一人称・二人称の数を把握すべく、表計算ソフト・Excelを用いて作成したものだ。*1完全に趣味で作っただけなので作りが甘く、縦長の表を無理やり1枚の画像に収めたため画質が死ぬほど悪いのだが、多少のアラはご愛嬌。以降はこの表をベースに研究を進めていく。

 

 

研究方法

後述の条件に当てはまる210曲の歌詞中の一人称・二人称を、以下のように調査した。

  1. CDに付属している歌詞カードまたはインターネット上の歌詞サイトを見ながら、一人称と二人称にあたる語を目視で数えた。文脈の中での使われ方を調べるため、ツールなどは用いなかった。
  2. 表記ごとに集計し、表計算ソフトExcelで表にした。例えば、「僕」と「ぼく」は読みが同じだが表記が異なるため、別の単語と捉えた。
  3. 出来上がった表を参考に、日本語詞の特徴および関ジャニ∞の楽曲性、そして関ジャニ∞というグループ像についての考察をした。

 

対象としたのは、以下の条件に当てはまる曲である。

  • 関ジャニ∞名義によってリリースされた曲(エイトレンジャー名義も含めた。『ここに』については、執筆時点で歌詞が先行公開されているが研究の対象外とした)
  • 全員で歌唱に携わっている曲(横山・村上以外の5人のソロパートにより構成されている『Your WURLITZER』については、アルバム『JUKE BOX』のユニット曲集であるDisk2ではなく全員で歌唱した曲が収録されているDisk1の曲目であることや、DVD化された過去のコンサートでは7人での演奏だったことなどを考慮し、全員での曲としてカウントした)
  • 音源化された曲(remixや再録にあたる曲は歌詞が同じなので、重複しないよう除いた)

 

一人称・二人称としてカウントしたのは、以下の条件に当てはまる単語である。

  • 歌詞カードに記載されているもの(コーラスやセリフなども記載があれば含めた)
  • 日本語であるもの(『Dye D?』と『Eightopop!!!!!!!』については、歌詞カードに載っている日本語訳が公式であるとし、その中の一人称・二人称を数えた)
  • 独立して一人称単数または二人称単数としての意味を持つもの(例えば『ひびき』には「愛しきヒト」という歌詞があり、これは歌詞内の「君」と同じ人物を表していると考えられる。しかしこの語は単独では二人称を指さないため数えなかった)

 

 

 

結果1・概論

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まず見ていただきたいのが、それぞれの一人称を含む曲数をグラフにしたこちらの画像だ。なお、複数の一人称が出てくるものもすべてカウントしているため、総数は調査した曲数と一致していない。楽曲中に登場する一人称は3分の2近くが「僕」であることが読み取れる。次いで多いのが「俺」という結果になった。

 

 

 

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こちらは、同様に二人称を含む曲数をグラフにしたものだ。3分の2強を「君」が占めており、「キミ」「きみ(その他に含めた)」も合わせると4分の3以上となることがわかる。「あなた」や「お前」といった二人称も比較的多く見られた。

 

 

 

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また、それぞれの楽曲の一人称・二人称の組み合わせを9つに分類し、その比率をグラフにした。分類の方法は以下の通りだ。

 

  • 僕/君型(一人称が「僕」、二人称が「君」)
  • 僕/×型(一人称が「僕」、二人称なし)
  • 俺/×型(一人称が「俺」、二人称なし)
  • ×/君型(一人称なし、二人称が「君」)
  • 混合型(一人称と二人称が揃っており、どちらかもしくは両方の表記が2種類以上)
  • ×/×型(一人称、二人称ともになし)
  • その他1対1型(一人称と二人称の表記が1種類ずつ、「僕/君型」以外)
  • その他一人称型(「僕/×型」「俺/×型」以外、二人称なし)
  • その他二人称型(「×/君型」以外、一人称なし)

 

一人称と二人称の組み合わせは、3割強が「僕/君型」であるという結果となった。「その他1対1型」で一番多いのは「俺/君(7曲)」、その次が「僕/キミ(5曲)」となっている。注目すべきは、「俺」という一人称の登場曲数のわりに「俺/×型」が多いことである。「僕」は「俺」の3倍以上の曲で使われているのだが、「僕/×型」よりも「俺/×型」のほうが数が多い。この点に関しては、次の「結果2」の項で考察していきたい。

 

 

 

結果2・個別研究

ここからはもう少し掘り下げて分析する。まずは一人称・二人称が多く使われている曲をランク付けした。

 

 

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こちらが一人称の登場回数のランキングだ。ほぼ全編が英語詞で構成されている『Dye D?』の和訳部分が1位という結果となった。2位以降は1位と大きな差が開いており、英語に比べ日本語は主語の省略が多いという特徴が顕著に現れた。また、『Dye D?』『夏の恋人』『Snow White』『コーヒーブレイク』『All is well』と、メンバーが作詞した曲が多くランクインしている。

 

 

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こちらは二人称が使われた回数のランキングである。またもや『Dye D?』が1位、『夏の恋人』が2位という結果になった。『CANDY MY LOVE byキャンジャニ∞』も引き続きランクインしている。この3曲は、一人称・二人称の数のみならず使われている語そのものにも特徴があるため、この後詳しく分析する。

 

 

次に、結果1の3つ目のグラフで用いた9種類の各型について、具体的な曲名を挙げながら考察していく。

 

僕/君型

調査した総曲数の約3分の1を占めた組み合わせである。調査は行っていないが、おそらく他の男性ボーカルのJ-POPでも最も多く使われているのではないだろうか。さまざまなジャンルの曲に見られるものの、最近は減少傾向にあるようだ。2017年は『応答セヨ』、2016年は『background』の各1曲のみ。2015年は『Can’t U see?』、『ナイナイアイラブユー』の2曲だけで、この頃から減っていると考えられる。個性的な語の使い方をする曲が増えたことは、幅広い音楽に挑戦する姿勢の表れとも読み取れる。一方で、『大阪ロマネスク』『ローリング・コースター』『ブリュレ』『I to U』といった、リリースから何年も経った今でもファンやメンバーに愛される曲がこの型に多いのも事実だ。普遍性を持っているのも「僕/君型」の特徴と言える。

 

僕/×型

二人称が存在しない、いわば自分語りの詞であると言えよう。それでいて押し付けがましくない印象を与えるのは、「僕」という語の持つ穏やかさや共感性(女性ボーカルの曲でも「僕」はたびたび使われる)によるものだと思われる。『旅人』『Heavenly Psycho』『8年者』『Do you agree?』『Traffic』など、その時々の関ジャニ∞そのものにも重なるような曲が多く含まれている。「僕/×型」は、淡々とした自分語りに徹しながらもどこか聞き手にシンパシーを感じさせる効果があるようだ。

 

俺/×型

前述の通り、「俺」が使われている曲数のわりに多いのがこの「俺/×型」である。私はその理由として、「俺」という語の持つ男らしく力強いイメージが、歌詞のストーリーの中に二人称(=相手)を必要としないパワーを持っていることが挙げられると考察した。具体的な曲名を見てみると、『地元の王様』『ゴリゴリ』『モンじゃい・ビート』『噂のオトコマエイト!』『えげつない』という、見事なパワープレー野郎系ソング(※褒めてます)ばかりのラインナップだ。我が道を行く泥臭い男性像が反映された楽曲によく見られる型だとわかる。

 

×/君型

「僕/君型」に次いで多かったのが、この「×/君型」だ。一人称がない、つまり相手のことを中心に据えた曲の集まりだと言える。この型に分類されるラブソングは、『冬恋』『スペアキー』『WASABI』といった未練に満ちたものと、『愛でした。』『CloveR』『Winter Love Song』などのひたむきな両思いソングに二分されている。『Hi&high』『へそ曲がり』『Never Say Never』など、「君(≒聞き手)」に寄り添いながら背中を押してくれるような応援ソングも多く見られた。他の型に比べると、曲のテーマと型との相関がやや弱いように思われる。

 

混合型

一人称や二人称、あるいはその両方が複数種類用いられている、考察しがいのある型がこの「混合型」である。複数の表記がなされているということはそれぞれに違いがあるわけだが、その違いが生じる原因は3パターンあると考えた。

 

  • 発話者が違うタイプ

歌詞中のストーリー内で、違う人物が一人称あるいは二人称にあたる語を発しているために表記が異なるパターン。『青春のすべて』『TAKOYAKI in my heart』『三十路少年』など。例えば『青春のすべて』には、

「あなたはそのままでいてね」と冬が終わる日に君は言った

という歌詞があるが、この「あなた」は「君」側から「僕」に向けての呼称である。

 

  • 作詞者が違うタイプ

複数人が作詞した曲が「混合型」に含まれているケースが存在した。例としては、『ミセテクレ』『オモイダマ』『元気が出るSONG』が挙げられる。

 

『ミセテクレ』

ラップ詞は安田章大の作詞だが、他の「僕」「君」が使われている箇所とは異なり、この部分にのみ「ボク」「キミ」が登場する。

 

『オモイダマ』

全国の高校生から詞を募ったという旨が発売当初からアナウンスされてきた。作詞した人物と該当箇所との対応が明らかになっていないため暫定的な結論ではあるが、バラバラの一人称・二人称が出てくる理由はそれぞれ作詞者が違うからではないかと思われる。

 

『元気が出るSONG』

メンバーが各自のパートの詞を書いた楽曲だ。ほぼ全編が「僕」で統一されているのだが、一箇所だけ「ボク」が登場する。この部分である。

思い出の欠片を集めて夜を明かそう

くだらないことでもいいよ

ボクらにだけ解ればいい

丸山さん…………………………………………(トゥンク)

 

  • 意図的なタイプ

以上2つを除いたものをここに分類した。具体的な曲名を挙げ分析していく。

 

『クラゲ』 (僕/君・あなた)

「あなた」はもともと、遠く離れた場所や時間を示す語だったという。それが江戸時代に「あちらの人」のことも示すようになったそうだ。「あなた」は「君」よりも遠くの存在を表すという観点からこの曲の歌詞を見てみよう。

君が誰を見ていたのかを 本当は僕は知っているよ

グランドを走る彼の姿 きらめく瞳の奥の彼方

あなたが空に浮かぶ雲なら 

空を見上げる僕はクラゲのようだね

『クラゲ』のこれらの歌詞を比較すると、「君」は「僕」とおそらくは同じ学校に通う想い人であり、実際に目で見ている相手を指しているのだと考えられる。いっぽう「あなた」は、「僕」が頭の中で思い浮かべているときの「君」のことだと思われる。「あなた」という二人称によって、意中の相手とは「君」と呼べる間柄でありながらも「僕」の手には届かない、甘酸っぱいもどかしさが表現されているのだろう。『Black of Night』でも同様の人称代名詞が用いられている。

 

『Masterpiece』 『Street Blues』 (僕・俺/君)

僕・俺/君型は、こちらの2曲と『罪と夏』『奇跡の人』の計4曲だ。この2曲には共通点があったためまとめて考察し、その後『罪と夏』を対比して分析する。

冴えないfaceにsay goodbye 今宵僕と踊ればケセラセラ

Are you ready? ここから俺らだけの世界を oh oh …

これらは『Masterpiece』の「僕」「君」を含む部分を抜き出したものだ。『Street Blues』の歌詞も同様に見ていこう。

愛の魔法で 裸のままの君をさらけ出して

そして僕の肩にそっと寄りかかればいいから

甘いセリフと甘い吐息で君を酔わせて

呆れるほどに俺だけを好きにさせてもいいよね?

どちらの曲でも、主人公は「僕」と「君」を使い分けて「君」へアプローチしている。「俺」で強気な思いを見せグイグイと引っ張りながらも、直接的な声掛けには優しげな「僕」を使っていることが読み取れる。この楽曲の色っぽさは、これらの一人称を主人公が意図的に使い分けているところに由来していると考察できる。

 

『罪と夏』 (僕・俺/君)

上の2曲とは異なり、一人称の違いによって焦りを表現していると思われるのがこの『罪と夏』だ。

真夏の俺らは罪・罪・罪なのさ!

サマーガール 君が今選ぶなら

「そりゃ僕だぜ?」・・とか無理だしな

この男性の本当の気持ちはきっと後者なのだろう。自らを「俺」と呼び虚勢を張りながらも、どうにか「君」に声をかけたいと悪戦苦闘する「僕」の余裕のなさが垣間見える。短い夏のひとときに揺れ動く主人公の心を、2つの一人称が見事に表している。

 

『フローズンマルガリータ 『コーヒーブレイク』 (俺/君・お前)

俺/君・お前型の曲は、偶然にもタイトルが飲み物被りしたこの2曲である。まずは『フローズンマルガリータ』から分析しよう。

Friday night 派手なメイクお前に夢中さ

Mi amore… 君はMagico

パンチのある歌い出しには「お前」が、サビで「Mi amore」を繰り返したあとには「君」が登場する。サビ部分では、他の曲の日本語詞にも頻繁に出てくる「君」の使用により、曲のテーマであるラテンを意識した「Mi amore(イタリア語)」や「Magico(スペイン語)」という語が際立っている。曲としての聴かせどころによって巧みに使い分けがなされていることが伺える。

次は『コーヒーブレイク』の歌詞を見てみよう。

いつか いつか 君と過ごせたら

僕は 僕は 何か変わるかな

こんな日々を過ごす僕たちはいつからか大人になったのかな?

いつの間にか…お前なしでは…

………………。

 

It’s 気まずいマジック…………

 

 

『夏の恋人』 (僕・俺/君・あなた・お前)

『Dye D?』に次いで一人称・二人称の数が2位となったこの『夏の恋人』には、なんと5種類の人称代名詞が登場する。

僕が、僕が、僕が、僕が、僕が、僕が、僕があげるよ

いきなり「僕」7連発で一人称の個数ランキング7位タイにまで躍り出たかと思うと、

君がいなきゃ僕なんて

AメロからBメロにかけては「僕」「君」が登場し、

お前を

(ただ夢中で愛して)

お前に

(ただ夢のなかで捧げて)

せつないの?

(その瞳に俺だけうつして)

サビでは「俺」「お前」という呼び方に変化している。サビで相手に呼びかけ、それをコーラスが追っかける形となっており、いかにも『CANDY MY LOVE byキャンジャニ∞』へのアンサーソングらしい構成だ。

勇気なら僕があげるよ

どうやら、相手本人への直接的なアプローチには「僕」「君」という語が使われているらしい。サビの「夢のなか」でだけ「俺」「お前」が用いられているのは、いざ目の前にすると「君」としか呼べない相手への強がりだろうか。

あなたに触れたら夏の日差しに溶けて

消えた。

丸山さん…………………………………………(トゥンク)

 

 

×/×型

一人称も二人称も出てこない、日本語特有の型と言えるのがこの「×/×型」だ。この型の詞は、主語や目的語をあえて示さないことが最大のポイントであろう。はっきりラブソングと呼べそうなのは『Baby moonlight』くらいで、『急☆上☆show!!』『ナントカナルサ』『Sweet Parade』など、不特定多数の相手を励ます温かい応援ソングが多くを占めている。『Baby moonlight』『ふわふわポムポム』といった楽曲のミステリアスな魅力は、この型であることにも起因していると言えそうだ。『Fight for the Eight』『Tokyoholic』と、主人公が自らの過去をかえりみるような楽曲もある。「自分」や「相手」をわかりやすくは描かない、詩的なタイプであると考えられる。

 

その他1対1型

「僕/君型」に入らない、一人称と二人称が1対1で対応する曲について考察する。

 

Great Escape大脱走〜』 『Eightopop!!!!!!!』 『DO NA I』 (俺/君)

いずれも聞き手を自分の世界に引っ張り込むような快活さのある楽曲だ。

無理に 個性 白くして

虚しい 淋しい 俺だけか

髪を 切って いる時に

感じた 旅を しようって閃き

それは 君が ダララッタッター

外に 開く ファンファーレ

Great Escape大脱走〜』では、以上の2か所で人称代名詞が登場する。

Just keep going ’cause our life is gonna be the best! best! best!
Just keep going ’cause our life is gonna be the high!
(ただ先に進め、だって俺たちの人生は最高になるからさ!)
(ただ先に進め、だって俺たちの人生はアガってくからさ!)

君もすでにEighter!!!

君がノりゃさらに Party Time なぅ。

『Eightopop!!!!!!!』では、サビ前、サビ、間奏前(和訳部分)で、印象的に人称代名詞が使われている。

君を楽しませるのが 俺たちの楽しみ Woo
待ちに待ったウィークエンド! Move Your Body!

こちらが『DO NA I』のサビ直前の歌詞だ。3曲すべてに共通するのが、「この現実から抜け出そう、パーティーでもして楽しもう」という主人公のスタンスである。カジュアルな人称代名詞がふっと肩の荷を下ろせるような雰囲気を作り出しているように感じられる。

 

 

『マイナス100度の恋』 『Sorry Sorry Love』 (俺/君)

先ほどの楽曲と型こそ同じだが、どちらも雰囲気をガラリと変えた未練がましい失恋ソングである。この2曲の共通点として考えられるのが、主人公の身勝手さ、そしてそれに対する内省をテーマとしていることだ。

外は雪 思い出さないのかい? あの日のコト
君は俺に未練はないのかい? ラララ…

君の中で俺が消える瞬間を感じたよ
忙しさをタテにしてた しみったれたやつだね oh

どちらも、歌い出しやCメロといった目立つタイミングで「君」の中に「俺」の存在を求めていたと自供するかのような歌詞が置かれている。「俺」という一人称に主人公のわがままさが表れているように思われる。なお、『イッツマイソウル』『キミへのキャロル』もこの型である。

 

『どんなに離れてたって傍にいるから』 『キング オブ 男!』 (俺/お前)

主人公の泥臭さと古風な男性性を強く打ち出しているこの2曲では、「俺」「お前」という人称代名詞が使用されている。

いつかきっと かっさらいに行く
もっとお前に ふさわしい俺になって

『どんなに離れてたって傍にいるから』では、「俺」と「お前」が含まれたサビを何度もリフレインしている。

夢を掴もうぜ仲間で
お前のためなら死んでもいい

アウトローな俺たちはキングオブ男!

“本気”と書いて”マジ”と呼ぶ男!!

『キング オブ 男!』のサビには「お前」が、そして最後の締めくくりには「俺」が使われている。ややぞんざいでぶっきらぼうな語だが、その使用によって主人公の男らしさがアピールされていると読み取れる。

 

無責任ヒーロー (オイラ/君)

関ジャニ∞の売り上げ1位を誇るシングル曲であり、発売から10年近く経った今でもその記録は破られていない。その秘密はどこにあるのか、人称代名詞の使い方に焦点を当てて分析したい。

オイラ伝説の無責任ヒーロー

夢は無限大の無責任ヒーロー

歌い出しでいきなり「オイラ」という語が登場する。この一人称が使用されているのは、関ジャニ∞の楽曲の中ではこの『無責任ヒーロー』のみで、他のJ-POPでもなかなかお目にかかれない、インパクトのあるフレーズだ。真っ先にこの言葉を用い、さらにタイトルである「無責任ヒーロー」を繰り返すことで、その斬新さを聞き手に印象づけていることが伺える。

君の人生は誰のもの??

1番も2番も、サビの直前の歌詞はこの言葉で統一されている。短いが、「君(≒聞き手)」にとって思わずハッとさせられる問いかけだ。ちなみに、この時期のもう一つの代表曲である『ズッコケ男道』は「×/×型」だ。インパクトある人称代名詞をうまく使った『無責任ヒーロー』と、あえて人称代名詞を使わずに共感性を追求した『ズッコケ男道』。初期の関ジャニ∞のパブリックイメージは、奇しくも好対照なこの2曲によって彩られていたと言えよう。

 

『Dye D?』 (ワタシ/きみ)

一人称・二人称ともに登場回数が1位だった楽曲だ。そのほとんどが英語詞の和訳部分であり、日本語と英語の違いを実感させられる結果となった。人称代名詞に着目したとき、この曲のもう一つのポイントとなるのが「ワタシ」という表記だ。この語が表しているのは「人外感」ではないかと考えられる。

You don’t even know how to love me.

(きみにはわからない。ワタシの愛し方が。)

Cause you’ve got know who on earth I am.

(だってきみはわかってるんだ。ワタシが一体何者かを。)

この曲のテーマが「禁断の恋」「狂恋」であろうということは、歌詞から比較的容易に読み取れる。しかし主人公がドラキュラだということは多くのファンにとって予想外だったのではなかろうか。それがはっきりと示されたのがライブツアーでの映像や衣装だったわけであるが、男性の一人称としては特殊な「ワタシ」を、しかもカタカナで表記することで伏線を張っていたと言えそうだ。

 

 

『CANDY MY LOVE by キャンジャニ∞』 (わたし/あなた)

この楽曲のポイントはなんと言っても「キャンジャニ∞のデビューシングル」であるわけだが、それを意識した人称代名詞が用いられている。

あなたに

(わたしのためにならなんでもしてくれる)

逢えない

(わたしに微笑みをあなただけがくれる)

この項の最初でも示したように、『CANDY MY LOVE byキャンジャニ∞』には一人称も二人称もかなり多く使用されている。「わたし」の多用によって主人公の女性性を強調しているのだろう。女性目線の楽曲『あなたへ』でも類似の表現(私/あなた)が用いられている。

 

その他一人称型

『レスキューレスキュー』『前向きスクリーム!』の「我」など、特殊な一人称が目立った。二人称を使わずに恋愛模様を歌い上げている『悲しい恋』や、「足りないピース」という形容で二人称にあたる代名詞の不在を補っている『パズル』などもここに分類される。なお、『好きやねん、大阪。*2『∞レンジャー』には、複数の一人称が使用されている。

 

その他二人称型

『NOROSHI』『今』『S.E.V.E.N転び E.I.G.H.T起き』『生きろ』と、アルバム『ジャム』の収録曲が4曲含まれており、近年増加傾向にあるようだ。『大阪レイニーブルース』『青春ノスタルジー』といった哀愁漂う恋愛ソングや、『がむしゃら行進曲』『生きろ』などのメッセージ性の強い応援ソングが多い。なお、『ありがとう。』『がむしゃら行進曲』『NOROSHI』*3『今』は、複数の二人称が登場する。

 

以上が9つの型に対する分析である。もちろんそれぞれで取り上げた各型のイメージには当てはまらないものもあり、これらはあくまで私の考察だ。とはいえ、人称代名詞の使い方と楽曲から受ける印象にはある程度の相関が認められると言っても良いだろう。

 

おわりに

ここまで人称代名詞によって楽曲を読み解くという新しい試みを行ってきたわけだが、なかなか興味深いデータが得られたように思う。人称代名詞を曲や場面によって変える理由はここで考察した以外にもたくさんあるはずだが、曲を読み解く一つの手がかりとなりそうだ。なお、他のアーティストとの比較ができなかった点や、曲や人称代名詞の印象を自分のイメージのみに頼ってしまった点については、今後の課題としていきたい。

今後の展望としては、今回の研究で除外したソロ・ユニット曲を調査しメンバーごとの楽曲傾向を比較する、メンバー作詞曲を読み解く、7人体制と6人体制での楽曲の変化を分析するなど、さらなる研究を予定している。

 

 

 

参考文献

*1:はてなブログにはExcelをコピーして貼り付けることも可能なのだが、あまりに縦長すぎてすべてをコピーできなかった

*2:混合型の「発話者が違うタイプ」にあたる

*3:混合型の「発話者が違うタイプ」にあたる